つれづれなるままに-日暮日記

現世の森羅万象を心に映りゆくままに書きつくる。

ウナギは食うな、安い定食にしろと言いたいのか

 閣僚の谷公一国家公安委員長が四国の四万十川方面に視察に行った時に、例の岸田首相への暗殺未遂事件が起こりました。谷氏は事件の後で、「四万十川のウナギは名物なのでしっかり食べました」と発言。野党、メディアがこれを問題にしました。小生の感覚で言えば、こんなことがなぜ問題になるのか、しかも本会議の質問で取り上げるとは異常、との印象です。野党のレベルが低すぎる。むしろテロを防ぐには今後どんな対策が取れるか、などともっと実質的な質問はできないものかと思いました。

 人間、どこにいても食事は必要。そこで谷氏は四万十に行ったのだから、名物のウナギを食べたいというのは分かる。それをしっかり食べたというのが何で問題になるのだろう、小生にはまったく分からない。では、逆にお聞きしたいが、「そんな時に食事などするな。首相が殺られそうになったのだから、メシなど食わずにひたすら職務にまい進しろ」とか「すぐに現場の和歌山に駆け付けろ」とか言いたいのか。それとも「そんな時に、名物のウナギとは何だ。普通の安い定食にしとけ」とでも言いたいのか。

 国家公安委員長ですから、どこにいても、食事中であっても、逐一事件状況の報告を受けているでしょうし、警察庁の幹部と連絡を取って、それなりの指示は出していると思います。彼が東京や現場の和歌山から遠く離れた高知県で、ウナギを食わずに慌てふためいたところで現場の和歌山での状況の変化はない。逆に、こういう時にこそ落ち着いてしっかり食事を取り、「他の政治家の警備を強めよ」と指示するなど次の状況に備えることが肝要でしょう。

 野党が取り上げたのは、要は「肝心の時に国家公安委員長は随分暢気だ。そんな時に名物のウナギを食った話などすべきではない。緊張感が足りない」ということでしょうか。でも、逆に考えれば、国家公安委員長はいかなる時でも泰然自若でいる(たとい自分が襲われても)必要があり、谷氏は実際にそうしたのです。むしろ国民には安心というメッセージを送ったことになりませんか。野党の女性議員が「即辞任すべきだ」と要求しましたが、正直この程度で辞任要求はないでしょうという感じを持ちました。

 谷氏がウナギをしっかり食べたとの発言をしたのは、確かどなたか議員の応援演説に行かれた時でした。議員は、内輪の会合では多少受け狙いでちょっと逸脱した発言をするものです。麻生副総裁など閣僚でいた時にもしばしばそんな発言をしていました。せっかく同僚議員に呼ばれて挨拶したのであれば、多少参加者の笑いを取りたいという思いがあるでしょう。そういうパフォーマンスは野党側の議員にもあると思います。いつも堅苦しい挨拶ばかりしていては世の中面白くない。

 例えば谷氏が「首相の事件より、ウナギを食べる方が優先される」とか「こんな事件で名物の味わいを損ねたくない」などと事件との関係で話したら、問題かも知れません。今回の谷氏の発言は多少”暢気な感じ”を与えますが、事件を軽視するような発言にはなっていません。常識を踏み外した言葉とは思えません。それでも野党やメディアが取り上げるのは、いわゆる嫁いびりの小姑根性でしょう。そんなことを取り上げても、政府与党批判、野党側の支持には結びつかない。むしろ立憲民主党の票はますます減り、維新の会の後塵を拝するようになるでしょうね。

 上の写真は、横浜・大岡川の夜桜風景。桜の時期が終わって1か月、今さらながらですみませんが、改めて鑑賞してください。