つれづれなるままに-日暮日記

現世の森羅万象を心に映りゆくままに書きつくる。

外国人親方の部屋で、相撲文化が継承できるか

 先々週まで大相撲夏場所がありました。5月は厳密季節的には春。地球温暖化で5月でも30度を超す昨今なら分かりますが、大相撲では昔から5月場所を夏場所と言っています。なぜなのか、一回専門家に聞いてみたいと思っているところです。それにしても、ほぼ毎日、ライブで見ていましたが、話題に取り上げる気がしませんでした。というのは、またまたモンゴル人力士大活躍で終わってしまったからです。前にも書きましたが、小生は人種的な偏見は一切ありませんが、やはり大相撲だけは日本人だけでやって欲しいとずっと思っています。

 その理由は再三書いているのですが、一つには、照ノ富士や北青鵬のような2メートルも超さんとする大柄の力士が気に入らないのです。相撲は本来、同じくらいの体型の力士が左四つ、右四つをめぐって差し手争いをするのが魅力なのですが、照ノ富士や北青鵬は大柄な体型を奇貨として差し手にこだわらない。照は、敢えて外四つになって、かんぬきに決めたり、そのまま振り回したりの実に乱暴な相撲。北はかんぬきはしないで、右手一本で相手の下手でも上手でも取り、立ち腰のまま土俵に寄って力任せにぶん投げる相撲です。大柄の力士は限りなく取り組みを詰まらなくさせる。

 昔、曙というこれも2メートルを超すハワイ人横綱がいましたが、彼は長身を生かしての突き押しで、かんぬきに決める技をそれほどしませんでした。突き押しは相撲本来の技であるので許容できますが、モンゴル人はもともと土俵のない草原相撲出身なので、投げにこだわる傾向があります。となると、マワシをつかんでも、かんぬきに決めても投げに行こうとします。実に危ない相撲が多いのです。照ノ富士の太い腕でかんぬきに決められたら、もう相手は動けない。体力を生かした実に詰まらない相撲になってしまいます。

 まあ、モンゴルに限りませんが、外国人力士が多くなると、神事をバックにした日本の相撲文化がどうなるのかも心配になります。昔、朝青龍が立ち合い直前の仕切りで、モンゴル相撲の”大鷲の舞い”のような手の動かし方をし、問題になったことがありました。ガキのころから寺社仏閣にお参りしていた日本人と違って、外国人力士はこういう神事に縁がないので、自国の文化を持ち込む。そこで、徐々に日本の相撲文化が損なわれていくようで心配でなりません。

 今、大相撲では、すでに6人の外国人が部屋持ち親方になっています。ハワイ出身の元横綱武蔵丸武蔵川部屋、ブリガリア出身の元大関琴欧州鳴戸部屋、モンゴル系中国人である元幕内蒼国来の荒汐部屋、モンゴル出身では元朝赤龍の高砂部屋、元旭天鵬友綱部屋、そして”大横綱白鵬宮城野部屋。親方というのはもちろん相撲の技も教えるのでしょうが、併せて日本の相撲文化を継承していく義務もあるでしょう。それなのに、神事を身に着けていない彼らが相撲文化の本質を果たして教えられるのか。相撲は勝てばいいというだけのものではない。

 霧馬山は大関になったので師匠譲りの霧島に改名するらしいですが、九州の地名をいただいてモンゴル人を糊塗するのか。小生は本来、霧馬山とか豊昇龍の粘り腰の相撲は日本人的であり、嫌いではありません。でも、残念なことに大関になっても日本国内で盛り上がりには欠けます。相撲取りは郷土と密接につながった存在。ですから、地方新聞や大新聞の県版には「郷土力士の星取表」が掲載されるのです。でもウランバートルどころかドルノド県出身では日本のどの地方も盛り上がりません。来場所、若元春が大関になったら、福島県、いや東北全体では大喝采が起こるし、WBC優勝ばりの熱狂が生まれることは間違いありません。

 外国人力士にとっては悲しいことですが、それが現実です。どちらが、日本経済に寄与するか、頭を巡らすまでもないでしょう。それだけに、朝青龍日馬富士鶴竜白鵬照ノ富士に続いてモンゴル人力士が出世していってまたまた横綱大関を占拠するような番付になったら、正直、日本人としては寂しいし、出身地の熱気はないので、大相撲への関心を限りなくなくさせます。で、何が言いたいのかと言えば、もう外国人力士のスカウトは止めて欲しい。

 日本にだって落合(伯桜鵬に改名とか)とは幕下付け出しの大の里とは大物がいるではないですか。もう郷土と結びつかない外国人力士は見たくない。本当に国際化を言うのならば、力士に髷を結わせない、行司に神主のような恰好をさせない、審判員に着物を着せない、真っ黒肌の黒人もスカウトする-などとするべきです。黒人は入れないで、モンゴル人、白人だけを許すのでは、これこそものすごい人種差別です。中途半端な大相撲の国際化は止めるべきです。

 上の写真は、小生自宅の近く横浜・野毛や伊勢佐木町モールでの風景。この界隈には中国、韓国、フィリピンばかりでなくタイ人も多く、レストラン、マッサージ店が軒を連ねる。