つれづれなるままに-日暮日記

現世の森羅万象を心に映りゆくままに書きつくる。

人間観察ができる単独参加だけのツアーが最高

 コロナ禍が終わり、我々の生活も日常に戻った感じがします。とにかく街中に人通りが多い。いつも横浜そごう近くのバス停から東横線の地下駅に行く途中、JR横浜駅の中央コンコースを通りますが、ウイークデーの昼間であっても、人があふれてまともに歩けない状態。普段の経済活動が戻って良かったなと思う半面、また人込みの”時代”が来たかと思うと、うんざりもします。で、小生も旅行社を利用しての旅を再開しました。5月に福井、丹後地方の旅、6月に日帰りで川越、幸手方面に行ってきました。

 小生は最近、旅行社の旅、ツアーではいつも一人参加。内人は内人で女同士の友達がいて一緒に旅行しているので、こちらも勢い別行動を取らざるを得ない。しかも、普段一緒にいる人間と非日常的な行動である旅行まで一緒にしなくてもいいのではないかというのが小生の基本的な考えでもあります。それで、川越の小旅行に単独参加したところ、たまたま隣り合わせに座った方も60歳代の男性で単独参加。打ち解けて話を進めていくと、彼もやはり非日常的な旅行で配偶者を同伴する必要はないのではないかという考え方の持ち主でした。

 内人との旅行となれば、どうしても旅先での行動、食事も一緒になってしまう。であれば、いつもの家庭の光景と変わりない。旅ではやはり知らない人と知り合い、どういう人かをひそかに感じてみたい。それも旅の面白さであると思います。もちろん、初めての旅先の景色も関心がありますが、それ以上に面白みを感じるのはさまざまな人間の生き様であり、考え方。露骨に聞かないまでも、親しさを増す中で徐々に生き様に触れてみるのは楽しい。まあ新聞記者の習い性ですが……。

 以前、お一人様参加だけのグループで2泊3日の石垣島西表島旅行に行きました。最初は遠慮気味でしたが、徐々に打ち解けて、最後は男女5,6人の人たちだけで、LINEのネットグループを作りました。今でもたまに集まって酒を飲んでいます。今回、川越で隣席になった方も単独行で国内、世界を巡っているそうで、「では、われわれの(石垣、西表の)LINEグループに」と引きずり込みました。いわゆる旅行を介した一種の集団”出会い系”ですね。

 家族、友人同士などの参加の中で、単独行はどうしても疎外されがちな感じがします。福井、丹後地方の旅の時には単独行は3人だけで、しかも小生のほか2人はまったく打ち解けない、話しても取り付く島もない感じでした。それでも2泊3日の中であるご夫婦と知り合い、LINEを交換するまでになりました。旅は人間の触れ合いという観点ではそれはそれで良かったと思います。かつては、旅先で親しくなった人には住所や電話番号を聞いたりしていましたが、今はイージーに「では、LINE交換を」と言えるので便利になりました。

 で、旅行社にお願いしたいのは、やはり単独参加のツアーを増やして欲しいということ。かつてトルコに行った時は全員単独参加の旅行でした。人間観察という意味では最高のシチュエーションです。旅行社にしてみれば、一部屋を2人で使って欲しい、それの方が儲かるということがあるのでしょうが、小生などは我が儘なのでやはり部屋は一人で使いたい。暑いときなどは部屋の中でフルチンかパンツ一丁で過ごしたいタイプ。旅先でたまに深酒をして早々に寝てしまい、真夜中に起きることがあります。その時同宿者がいて部屋の電気を付ければ、迷惑がかかる。遠慮が必要になります。

 中には無遠慮な人もいる。小生も経験がありますが、同宿者の振る舞いに嫌な思いを抱く人も結構いると聞きます。普段は仲のいい友人であっても、一緒に旅行し、同部屋になって初めて相手の嫌な面が見えてくるケースはよくあること。であれば、友人同士一緒の旅行でも最初から一人部屋を希望したらいい。だれだってトイレも風呂も好きな時間に自由に使いたい。という意味で、一人部屋の方がいいに決まっている。少しくらい値段が高くなってもそれに上回る利点がありますから。

 上の写真は、福井の禅宗本山、永平寺での光景。新緑がきれいでした。秋の紅葉は一段と美しいでしょうね。