つれづれなるままに-日暮日記

現世の森羅万象を心に映りゆくままに書きつくる。

民族性か、プーチンもスターリン同様に執念深い

 その昔、ソ連の独裁者スターリンには共産党内で権力を争っていたトロツキーというライバルがいました。最初の指導者レーニンスターリンの異常性を怪しみ、むしろトロツキーを次の指導者にしたかったようですが、残念ながらスターリンが権力を握ってしまいました。敗れたトロツキーは海外に出て、晩年はメキシコで暮らします。ところが、驚くことに、スターリンは異国にいる政敵に安心できず、刺客を送る。刺客となった青年はトロツキーを登山用ピッケルで殺してしまうのです。ロシア人というのはどうもそういう執念深い上、狂暴性を持っている民族のようです。

 今回、ロシアの軍事集団「ワグネル」の指導者プリゴジンが航空機事故で死亡しました。一時、地上からミサイルが発射されたなどの情報が飛び交っていましたが、どうも機内での爆弾破裂が原因のようです。明らかに爆弾で意図的にプリコジンを抹殺した事件です。メディアはまだプーチン関与説を強調していません。ですが、プリゴジンが2カ月ほど前にクーデターまがいのモスクワ進攻を企てたことから、プーチンプリゴジン爆殺に関わったことは疑いないでしょう。

 プーチンはこれまでも自分に反逆したオリガルヒのアブラモビッチ氏やリトビネンコ氏、野党指導者のナワリヌイ氏への毒殺を企てています。その他、自分に批判的な女性ジャーナリストも殺されています。自らの政権奪取後に、次々と政敵の暗殺、暗殺事件が起きていることを見れば、プーチン自身が一連の暗殺に関与、それどころか指示していたと見てもよさそうです。自身、KGBのスパイ時代に毒物や爆弾を使ったテロ事件に関与していたようですから、彼にとっては”手慣れた作業”なのでしょう。

 アブラモビッチウクライナ戦争の停戦協議にも関与していたと言われ、同国をしばしば訪問。暗殺未遂事件も昨年3月、ウクライナの首都キーウで起きています。同氏がウクライナ側に与したことを怒ったとも言われています。リトビネンコ氏はロシアの元KGBスパイ。「プーチンからある人物の暗殺を指示された」という”危ない情報”を公開したことで睨まれたようです。彼は2006年、ロンドンで放射性物質ポロニウム210を盛られ、死亡しました。反逆者を海外まで追っていって、抹殺しようというのはまさにスターリン並みの執念深さです。

 今回、イスラム過激派でもあるまいし、プーチンプリゴジン機の同乗者に自爆テロを命じたとは考えられません。恐らく旧KGPの部下に命じて事前に爆弾を仕掛けさせたのでしょう。もしそうだとしたら、プリゴジンは随分と不用心だったと思います。プーチンはいったんはプリゴジンの反逆軍事行動を許す素振りを見せながらも、心底では決して許していなかったのでしょう。プリゴジンプーチンのその執念深さを熟知しているはずなのに、いったん許されたことで安心してしまったのか。考えが甘かったと思います。

 で、よくよくロシアという国を眺めてみると、大統領が自ら指示して政敵や、気に入らない人物を葬ってしまういう事態は異常です。恐い国です。同じ独裁国の中国でも熾烈な権力闘争がありましたが、その闘争相手を投獄するケースはあっても、さすがに闇の中で殺してしまうということはありません。そういう意味では、中国の方が国家の品格、民族の品性が優っているのかな。

 昨日、稚内宗谷岬を訪れ、この地に1983年に起きた大韓航空機撃墜事件の慰霊碑が建っているのを見ました。韓国の民間機がちょっとサハリンの領内に入ったからという理由でミサイルで撃破してしまったのです。同様に昨年もウクライナ、ロシア国境近くでマレーシアの民間機がロシア軍によって撃ち落されました。民間機と分かっているのに無暗に攻撃するというのは、この国の異常さ、民族の低劣さなんでしょうね。


 上の写真は、横浜みなとみらい地区の夜景。散歩の途中、あまりの美しさにスマホで撮ってしまいました。