つれづれなるままに-日暮日記

現世の森羅万象を心に映りゆくままに書きつくる。

日本の株式市場好況なのは中国のお陰?!

 イヤー、驚きました。昨日、東京証券所での日経平均終値が4万円台となりました。1989年末のバブル期の年末大納会の時には3万9800円くらいになり、「来年は4万円台になる」と世の中が浮かれ模様でした。結局、その時はバブルが弾けてしまい、4万円などは遠い夢の話になったのですが、あれから35年たった今年3月のこの時期、とうとうバブル期の期待額を超えたのです。驚きました。これまでバブル消滅のあと、失われた10年とか、20年とか言われていたけど、ポストバブルの時期は完全に去って新たな日本再興の時代に入ったのかも知れません。

 世の中、それほど景気が良いとは年金生活者には実感できません。でも、日経平均が上がるというのは全体的に期待感があり、実際好景気なのでしょう。製造業は輸出産業を中心に今、じゃぶじゃぶに儲けていると思います。その理由は、円安です。大谷翔平の契約金の例でも書きましたが、一円円が安くなっただけで儲けは数十、数百億円のプラスになるのです。企業側はウハウハでしょう。ただし、その分、輸入品は高くなっているので、輸入品を商う企業、店舗は大変でしょうが…。

 期待感の話をしていくと、”産業のコメ”半導体の存在が大きい。1980年代、半導体製造は日本が世界のトップクラスだったのですが、米側の圧力でその製造工場は台湾、韓国、さらには中国にとって代わられました。しかし、今、台湾のTSMC(台湾積体電路製造)の工場を熊本県に誘致し、そこには日本の大企業が共同出資したJASMも関与します。さらに、日本独自で先端半導体企業のラピダスができ、その工場が来年、再来年にも北海道で稼働するということで、日本の地方に活気をもたらしています。

 小生は東京中心主義の発想、何でも東京に施設と人を集めたがる傾向に反発を覚えていましたから、コロナ禍のオンラインでのホームワーク、業務展開は大賛成。コロナが終わってもホームワークは続き、地方定住化も進んでいます。その上、東京から遠く離れた地で先端産業の工場ができれば、工場、人の分散化が進み、大いに喜ぶべきことかと思います。人口減少状態にある北海道は、寒さを逆手に取ってもっと先端産業を発展させてもいい。テクノロジーイノベーションのハブ化を図ったスウェーデンや、通信大企業ノキアを生み出したフィンランドなど北欧の先進産業国を見習うべきです。

 株価日経平均上昇の原因はほかにもあります。経済先読みの天才と言われる米国のウォーレン・バフェットが盛んに日本株の購入を進めているのです。特に商社株がいいとか言っています。半面、「中国株はもう終わった。将来性はない」との見方もしています。バフェットやジョージ・ソロスらの名だたる投資家がそういう見方をするのであれば、当面中国に大量の資金投入はない、むしろ日本株へということなのでしょう。ですから、世界各国の投資家、特に余剰資金を多く持つ中東の投資家もこれに倣って日本株買いに走っていると思われます。

 バフェットが言うように、中国、香港の株式市場はもはや見込みがなくなりました。指導者が恣意的、強圧的な発言を繰り返し、株式市場にも意図的な介入を行っています。中国企業の経営内容そのものが良好でないのに、いたずらに「中国経済は良い状態」などという意味ない”光明論”を展開。「中国隊」と言われる政府資金、政府系企業資金を投入して株価のPKOを図る。その一方、「中国経済は悪い」と言う人を取り締まり、反スパイ法で企業の監視を強化しています。PKOは一時的には奏功するかも知れないが、中長期的には株価の維持はできないでしょう。

 中国は「先進国は14億という巨大市場を無視できないだろう、だからどんな圧力をかけてもいずれ我が方にひれ伏してくる」との認識を持っているのかと思います。確かに、第一次産品の輸出先に困っていたオーストラリアなどにはその傾向が見られました。ですが、第二次産業サプライチェーンは必ずしもそうならない。代替の発展途上国はいくらでもある。むしろ労賃の高くなった中国を嫌う企業も多くなっています。という意味で、バフェットの言うように、今の中共指導体制が続く限り将来性はないのかも知れません。

 今、中国、香港株式市場が低迷状態にあるのは、先行きに不安を感じた外国企業、外資が逃げ出し、それにつられて中国国内の投資家も資金を引き揚げているからです。それで、引き揚げられたその金が日本市場に回っており、株価上昇をもたらしています。つまり、中国、香港市場と日本の株式市場はゼロサムの関係で、今、日本側が勝ち組に回っており、誠に好ましい状況になっています。

 という視点で見ると、非能率な公営経済を重視し、対外的に強圧的である習近平指導部が続く限り、中国は諸外国、とりわけ西側先進国から好感されず、国際流動資金はそこには流れない。その分日本はこれから勝ち続けます。皮肉な言い方をすれば、経済のイロハ、仕組みが分からない中国の習近平体制が末永く続き、世界の資金が日本に流れるままであってほしい、そして日本の繁栄を支えて欲しいと願うばかりです。

 上の写真は、野毛、伊勢佐木町界隈の散歩コースで見られる風景。上の方はタイ式マッサージパーラーの店頭。下の方はギリシャ風レストランのシャッター上に描かれた絵。猫が可愛い。