つれづれなるままに-日暮日記

現世の森羅万象を心に映りゆくままに書きつくる。

イチローの安打記録と祖国愛に乾杯!

 いやー、なんやかやと言っても、イチロー選手はすごいです。WBCが終わった後、胃潰瘍などと診断され、彼もWBCで打てなかったことを悩み、胃をきりきりさせたのだと思い、やはり人の子だと納得したのですが、いざ、復帰してみると、すぐに満塁ホームラン、そしてきょう、張本選手の通算安打記録3085本をあっさりと抜いてしまいました。やはり野球の天才ですね。
 張本さんが再三、日曜日の朝のテレビで言っているように、日本だけの記録と日米通算では、これは単純に比較できません。日本は試合数が少ないですから。ただ、イチローという選手は抜群の打撃センスを持っていることは疑いなく、彼が日本でプレーしていても早晩張本さんの記録を抜くことは確実だったでしょう。
 張本氏は、自分の記録が抜かれるのを目撃するため、シアトルに行っていますが、たぶん、イチローであれば、日本でやっていても抜かれるであろうということを自覚し、納得したに違いありません。張本氏のコメントには微塵もわだかまりがないように感じられたのは、さわやかな納得の表現だったのでしょう。優秀な職人はまた、自分以上の職人の技術を評価し、それを素直に絶賛し、受け入れるものなのですね。
 イチローがまた、すばらしいと思うのは、やはり国家を背負ったときに発するあの気合いです。今回のWBCではちょっと空回りし、やきもきさせましたが、多くの日本人はたとえ彼が打てなくても応援し続けたのは、彼の強い祖国愛を感じたからでしょう。アメリカという外国に行ってみて、日本人ということを自覚したに違いありません。比較になりませんが、小生も海外生活をしてみて、初めて日本を知り、自分が日本人であることを意識し、そしてそれを誇りに思いました。
 ですから、イチローが苦しんだ挙句に優勝を決めたあの試合で、センター前ヒットを打ってくれたのは本当にうれしかった。いや、日本チームが勝ったという以上に、祖国愛に燃えるイチローを真に男にしたから、多くの日本人はうれしかったのだと思います。愛国心は排外的であってはいけません。愛国心を持ってこそ初めて、他の国の人間も、同じように祖国愛を持っている人間なのだとして存在を認め、敬愛できるのだと思うのです。
 下の写真は、上海の浦東地区にあるテレビ塔「東方明珠」の前景。地下鉄「陸家嘴」の上で撮りました。